2014年12月2日火曜日

楽園追放 感想

映画の日ということでようやく楽園追放見てきました。いつもの如くネタバレありきになると思うので嫌な方はブラウザそっ閉じで。




結論から言うとめっちゃっくちゃおもしろくて大満足でした。バディもの、電脳空間、メカ、自我を持つAI、美少女、ロードムービーぽさ等作中の要素がどれも自分がドハマリするものばかりで好きにならないわけないよな~って感じのアニメーション映画でした。カウボーイビバップ、ロックマンエグゼ、攻殻機動隊、ゼーガペイン、バディ・コンプレックス、タイガー&バニー、ANUBISあたりが好きな人間はハマるかも?


ざっと世界観含めたあらすじを説明すると、荒廃した地球で人類のほとんどが肉体を捨て「ディーヴァ」と呼ばれる電脳世界で暮らす中、突如ディーヴァにハッキングを仕掛けてくる「フロンティアセッター」と名乗る謎の輩が現れた。これを追跡しようとしていた捜査官の「アンジェラ・バルザック」は電脳世界で一度とり逃がします。フロンティアセッターは地表からのハッキングを仕掛けていると分かったため電脳世界ではなく、リアルワールドで捜索することになる。とまぁこんな感じです。

その後のストーリー

地上に来たアンジェラと現地オブザーバーのディンゴが出会いフロンティアセッターを探すために奔走していく。

アンジェラは慣れない地上の生活に四苦八苦しつつ頼りになるディンゴとともに手がかりをみつけ、ようやくフロンティアセッターと邂逅するが正体はアップデートの末に自我を持った人工知能であった。フロンティアセッターの目的は外宇宙へ旅立つ同士を募るもので敵意はまったく無く、ハッキングをやめろと言われればやめるとのことで一連の騒動に決着がついたかに思われた。

だが、事の顛末を報告したところで納得するディーヴァ上層部ではなく、フロンティアセッターに害はないと擁護したアンジェラに再度地上へ赴き破壊するよう命じた。拒むアンジェラは市民権はく奪の上拘束される。ディーヴァ上層部は力づくで解決しようと目論見地上にいる全ての捜査官にフロンティアセッター破壊を命じた。

絶対絶命のピンチであったが、フロンティアセッターはアンジェラが自分を助けようとしたことを理解し「仁義」を貫き今度は自分が助ける番であるとアンジェラを電脳空間の檻から連れ出す。宇宙にある機動外骨格スーツを奪取し、追撃を振り切り地上のマテリアルボディ(生身の体)に自身の電脳パーソナリティを移し替える。そこには逃げも隠れもせずに待っていた大馬鹿のディンゴがいた。地上で建造していた外宇宙探査船の反応炉ユニット等を打ち上げられればこちらの勝ち、捜査官が到着してやられれば負け。一世一代の大花火の末に打ち上げは成功し、フロンティアセッターは船の航行プログラムとして地球外へと旅立っていくのであった。


とまぁ抜けはあるだろうし一部間違ってる部分もあるとは思いますが、大筋はこんな感じですかね。


とにかく見どころの多い映画だったなぁという印象です。全体としてのストーリーも分かりやすくおもしろいし、スッキリするような見終わった後の感覚も良かったです。

序盤のアンジェラちゃんは大人っぽくてあれ?これティザーとかで見た時よりロリじゃなくね?って思ってたんすけど、電脳パーソナリティと実際の肉体の成長を途中で切り上げた生身の体との違いと分かりなるほどと思いましたね。全編通してエロ可愛く喜怒哀楽の表情がとにかく豊かで3DCGでここまでのキャラクター描写ができるのかと心底驚かされました。個人的に好きなのは麺かなんか食ってる時に七味っぽいの入れて食ったらうまい!みたいな表情した時です!!

電脳空間での追跡描写やアンジェラとフロンティアセッターの電脳空間内の移動?とかは昔からロックマンエグゼとかで見慣れてた人間にとっては嬉しかったです。地上に降りて最初のとこはディンゴがサンドワームをうじゃうじゃ連れてきてどうなるかと思いましたが、アーハンに乗ったアンジェラが無双を魅せてくれましたね~。ハイスピードバトルに加え、衛星からの演算バックアップによるマルチロック&未来予測射撃とは恐れ入りました。アーハンや工業用ロボットっぽいののデザインは柳瀬さんや石垣さんが関わってたみたいでロボオタ的に歓喜でした。

ディンゴはまさに三木眞一郎さんのキャラって感じでしたね~。あのてきとうさ加減とやるときはやるって感じの鋭い感じの落差が最高に決まってるキャラだと思います。(ロックオンやクルツみたいな感じのが好きなんで)
地球での生活をなめてるアンジェラに対してもなんだかんだ優しくて凸凹だけど良いコンビだなと感じました。パートナー描写強いのは良いっすね。個人的にスパロボのキョウスケ&エクセレンコンビなんか好きっす。

当初はどんな悪役なんだと構えていたフロンティアセッターちゃんでしたが、これがなんと今作最萌えキャラでありました!というのもマジで敵意の欠片もなくてそれどころか握手したり昔の音楽についてディンゴと語ったりセッションしたりと妙に人間味が溢れてるんですよね。楽しいとかおもしろいみたいな感情も理解できてるみたいでしたし、本当に可愛かったです。だからこそ、ディンゴやアンジェラに一緒に外宇宙へ行かないかと提言して両者とも断ってしまったのは少し心苦しかったかなぁとも思いました。

展開がガラッと変わった終盤でフロンティアセッターが助けに来たところはグッときましたし、その後のアーハン奪取から追撃を振り切りながらの戦いは最高でもう脳汁止まらなかったです... マクロスのゴースト的なサムシングが超高速で追尾してくるのを避けながら戦ってるの良かったですし、敵がヤバそうな大型のミサイルかなんか撃ってきてどう迎撃するのかと思えば、巨大なレールガンブッパで地球半周するくらいまで飛ばしてドカンですよ!!あれはもうたまんなかったですね。最高 おそらく板野一郎氏が関わってた部分はあの辺のシーンかと思いました。(もちろんそこだけではないでしょうが)

そこからコンテナを大量に配置した市街戦もたまんなかったですね~、メカ戦がメインながらもディンゴが足手まといではなくアンジェラが帰ってくるまでに爆弾やミサイルを配置して実際ちゃんと戦っててかっこよかったです。メカ戦も生身のアクションも含めてそうなんですけどとにかくカメラワークが際立ってたように感じました。何度でも見たくなるような素晴らしさです。

ラストは結局フロンティアセッター1人(と呼んでいいと思う)で旅立つことになってちょっと切ないかなとも思うが、個人的にはそこまで悲観的ってわけでもなかったかなと最後の最後の歌を聞いて少し感じました。

アンジェラは最終的に地上で肉体を得て暮らすこととなってしまいましたが、後悔は一切無いように感じました。ディーヴァ上層部は脱落者みたいなこと言ってましたが、本人はこれから色んな経験をしながら人間らしく生きていくんじゃないかと思いますし、個人的にはそういう方が良い生き方だと感じました。

この作品のテーマというか重要な部分かなと感じたのはディンゴとアンジェラが肉体や精神、データについての話をしていたところやディンゴがフロンティアセッターに人間だって名乗ってもいいんじゃないかみたいなセリフを言ったところです。
自分としては当たり前なんですけど、生身の人間なんでディーヴァのことなんて分かんないし精神的快楽とか肉体の枷を外して高みへ行けるとかそんなの知らねーよって感じなんすよ。仮にそういう状況になってもやっぱり電脳世界へは行かず地上で生きていくような気がします。ディンゴが言ってたこともごもっともだと感じましたし、実際利権争いに躍起にならなきゃならない面倒な牢獄は嫌ですね。厳しい環境下で仮に枷や負担と捉えられようが「生きてる」っていう実感が湧く方が良いし、人間らしい生き方ができるんじゃないかとそう思いました

確かにディーヴァは楽園なのかもしれないし、優れて正しいのかもしれません。しかし、正しいことと本人にとって良いと思うことって別物だと思うんですよね。今回はそれを改めて考えさせられた気がします。
また精神的な存在(電脳パーソナリティ)、実際の人間、人間の感情を理解できるような高度なAIとこう並べてみると「人間」ってひどく曖昧な存在で明確な区切りって難しいのかもなぁと思ったりしました。


改めてすんごいおもしろい作品で新世代のアニメーションを垣間見られたような喜びがありました。
アニオタ的には今回特に3DCGキャラクターの芝居の凄さみたいなものを感じられたのは一番の収穫だったかなと思います。セルに近い感じでありつつも3DCGの良さも失っていないよう感じましたね。このクオリティで作ることが可能なんだと示唆できるような作品だっただけでも十二分に価値のある作品だったと思います。素晴らしい作品と作り上げてくれたスタッフ&キャストへの最大限の感謝の意を示したいと思いまする。

また今回もまとまってない駄文になってしまいましたがこれにて垂れ流し終了とさせていただく。

P.S.パンフ買えなかったことが悔やまれたので速攻BD予約しました。届くの楽しみっす!

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