2015年11月15日日曜日

ハーモニー 感想(原作未読)

 今回は「Project Itoh」の第二弾であるハーモニー見てきたのでその感想です。


 だいぶまとめづらいんで今回概要は省略してなんとなく感じたことを書き連ねる感じにしようかなと思います。

原作未読で見ましたがなんだかんだで楽しめました。


 まず世界観に関しては個人的に好みでした。今よりも近未来なのもそうですし、世界全体、中でも特に日本で感じたあのディストピアっぷりにはグイッと引き込まれたような気がします。大災禍があったからというのは分かりますが、あの極端なまでの健康・幸福主義には染まれそうもないなーなんて思ったり。キャラクター達が「まるで牢獄のよう」「やさしさで絞め殺す」「鏡の中の世界のよう」など今以上に息苦しく生きづらさがあるかもしれない世界というのが非常に良かった。
駅のシーンですごく細かいと思った点があるのですがそれは自殺防止用の扉です。日本にもあるのかもしれませんが上から下までのガッチリしたのは自分自身上海で見たのが初めてでそれを想起させました。完全な管理社会で自殺防止策の描写として世界観の補完ができててすごいと思いましたね。車や飛行機っぽいものなどのデザインも近未来チックでセンスがあるなぁと毎回あの手のデザイナーさんには脱帽ものですたい。あと建築物の気持ち悪さめっちゃいいよね... ...


 続いてキャラクター面です。登場人物が割と少な目のように感じてだからこそある程度の描写の確保はできるためキャラクター像を掴みやすかったと感じました。
トァンやミァハはとっつきづらそうに見えた作中でもキーとなるキャラクターですが徐々に内面にも踏み込んでいったり状況が進行したりで分かるキャラクターになっていたのかなと。トァンとかはいい意味で好きになりましたもん。あの世界で好き勝手に酒飲んでるとか罪悪感に苛まれたり父親が死んで怒りを見せたりと思ったより人間臭かったといいますかね。
CMとかでキアンが割とメインなのかなーなんて思ってたんですけどまさかあんな凄惨な死に方するとは思いもよらなかったです。直前に空気が変わったのは分かったので何か来るかなとは感じたんですが思った以上にショッキングでしたよ。この辺に関してはレイティングとかかかってるんですかね?


 ヌァザからミァハの過去についてなんとなく話されたときに悲惨なこと~と濁していたので想像はできてたんですが本人と会った際に詳細に語られるとは思いもよらず半ば生々しく想像してしまって精神的にちょっとキてしまいました。トァンじゃなくてももうやめてくれってッ!って感じでしたし。幼少時のこと、日本に来てからのことあまりに残酷で辛くあまりに賢すぎた故の行動でしょうかね。完全な理解なんてできないかもしれないけどああなってしまうのはもう仕方がない気がしました。それこそどうしようもないというか納得というか。自分なら憎んでもどうしようもないと諦めて染まってしまうかそれとも成人前に自殺を選ぶかもと思いましたね。
劇中最初の方でもトァンの胸をミァハが掴んだ際に「胸」ではなく「おっぱい」と呼称していたのは性的な事も残酷な事も全部濁さず表現するぞって感じでわざとだろうなともここで思いました。(考えすぎか思い違いな気もしますが


 エンディングに関してはですが個人的な解釈としてはやっぱりバッドエンドなんだろうなーと。結局ハーモニー・プログラムが施行され副作用で意識がなくなっておしまいって感じなのだろうか。トァンとミァハが出会った時くらいに射殺するんだろうとは予測してたんですが、思った感じの殺し方ではなかったというかやはり最後に二人で抱き合ってるシーンの台詞のきちんとした解釈が必要不可欠なんだろうと思いました。あの辺は正直あまり分からなかったのと原作未読が災いしたような気もします。(だからこそ原作への興味が出てきた部分はあるのですが。うーん最後のところとあと最初もか。真っ白な空間に何かそびえ立っていてそこに文字が浮かび上がってるあの描写が自分の中でうまく噛み砕けていない部分なのかな。

3DCGに関しては作品と非常に相性がよくてデジタルっぽい描写とか3DCGだからこそ出来る描写みたいな物が多くてクオリティの底上げしてるなーなんて感じました。攻殻っぽい電脳化みたいな描写とかもすごく好み。いちいち視界に入る警告がうるさかったりってのはこの世界特有の物っぽくて「異質さ」を際立たせる描写として良かったかな。

あとはEGOISTさんの主題歌が良かったですね。余韻に浸れました。

バッドエンドの物語ってあまり好きじゃない方なのですが映像クオリティが非常に高かったことと求心力が高い作品であったことが大きかったかなぁ。今なら予告の私の心が、幸福を拒絶した の文言の意味をよく理解できる。
同じプロジェクト内の作品なのであえて名前を出して比較しますが、個人的にはやっぱり屍者の帝国ってテーマ性こそすごい良かったとは思いますが単体作品の評価としてだと微妙だと感じました。この作品見てようやく結論を出せた気がします。楽しめたのかもしれないけどそれ以上のことを考えて楽しいとも思えなかったのと原作に手出したいと思えるほどの力が感じられなかったのが大きいです。

 だいぶ話が逸れてしまいましたね。とにもかくにもハーモニー非常に見ごたえのある作品でした。原作買って読みますハイ

今回の駄文締め

P.S.虐殺器官続行で良かったですほんと... ...

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